2023年審査会を終了いたしました

今年で第2回となる「Australian Sake Awards」の審査会が、2023年7月22日(土)、シドニーで開催されました。会場には、象徴的なシドニー・ハーバー・ブリッジとシドニー・オペラハウスから徒歩圏内のエリア、サーキュラー・キーにあり、歴史的な建造物として知られるカスタム・ハウスが選ばれました。

「Australian Sake Awards」の主な目的は、オーストラリアの消費者に人気の日本の酒を認識し、審査員による得点と書面に基づいて各酒蔵にフィードバックを提供することです。これにより、日本の酒蔵とオーストラリアの酒市場との絆をさらに強化し、日本の酒蔵がオーストラリアの酒市場をより深く理解するための一助になることが期待されます。

本審査会では、審査員をラウンドテーブルに座らせることでシーンごとのディスカッションを可能にする環境づくりで、審査員間の包括的なチームワークを向上させるなど、昨年に比べて多くの改善点もありました。これにより、初めての審査を経験する新しい審査員もより万全な状態で審査に臨むことができました。

また、日本の酒類専門の国立研究機関である酒類総合研究所からの協賛を受け、同研究所の主任研究員である織田鍵氏をゲスト審査員として招待できたことは大変光栄です。本審査会について、織田氏は「素晴らしいイベントで、日本全国の酒造りにとってオーストラリア市場への本当の入り口となっている」と今後への期待を示しました。

今回の審査員の半数以上は第1回から継続しており、その中でもオーストラリア拠点の事前選定審査員は、オーストラリアのソムリエ、酒小売業者、飲食業界の専門家、日本酒の資格を持つ者、酒類の輸入業者と卸売業者で構成されました。審査に先立ち、審査員らは織田氏のプレゼンテーションを含む2つのオンライン講座に出席し、審査会当日は全51名を7名または8名ごとのグループに分け、それぞれのグループが45種類の異なる日本の酒を試飲しました。試飲した全ての酒は日本全国の酒蔵から提供されたものです。

審査カテゴリは以下の通りです。

  • 本醸造・普通酒
  • 純米
  • 純米吟醸
  • 吟醸・大吟醸
  • 純米大吟醸
  • スパークリング
  • 生酒・生原酒
  • 古酒

各酒は香り、味、バランスに基づいて10点満点で評価され、さらに審査カテゴリの評価に基づいた総合得点も付けられました。また、審査員が各酒について書面でフィードバックを提供し、そこには食事のマッチング提案などを記入できるコメント欄も含まれていました。これらのデータは全て集計され、各酒を提供した酒蔵に送付されます。

メルボルン在住の酒サムライ(※1)であり、本審査会のリーダーチームの一人であるSimone Maynard氏は、「これは日本の酒蔵にとってオーストラリアの消費者から貴重なフィードバックを得る絶好の機会です。こうしたイベントを通じて、今後オーストラリアにもっと日本の酒が入ってきて、Australian Sake Awardsにもっと多くの日本の酒蔵が参加することを期待しています」と語りました。(※1 「酒サムライ」とは、全国の若手蔵元から組織される日本酒造青年協議会が、日本酒と日本文化を愛し、その素晴らしさを世界に広めようと尽力している人に与える称号です。)

シドニーにある「Wine Knight Consulting」のオーナーで、同じく審査会リーダーチームの一員であるDennis Han氏は、「これらの賞は、オーストラリアにおける日本酒の多様性と高品質を改めて教えてくれます」と感想を述べました。

「Australian Sake Awards」の審査結果は8月中旬に発表され、授賞式は9月29日にシドニーで開催が予定されています。

本大会の様子

動画制作:Maiko Videography

全ての写真:Sayu Matsunaga

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